我々現代人の普段の日常生活の中において、実に多岐に渡る場面、箇所で当然のように使われている鍵。特に時代が経過するにつれて、新しい鍵が登場してはその鍵の破り方が生まれ、それを繰り返すというイタチごっこが続いている。これまでにウォード錠、スケルトンキー、刻みキー、チューブラーキー、ディンプルキー、電子錠と様々な鍵が世に出てが、今もなおその開発は継続されており一向に終わるを迎える気配を見せない。さて、ここで少し話を切り替えてみることとしよう。では、これほどまでに我々人類の生活を守ってきた鍵というものは一体いつ頃から登場したのか。その歴史に迫ってみようと思う。鍵の歴史は想像以上に古く、やはりというべきか世界最古の錠は紀元前2000年頃のエジプトにて発明された木製の「エジプト錠」であるとされ、その様子は壁画にも描かれている。また、紀元前750年から紀元前730年頃には、ローマにおいて鉄製の鍵と錠前があったとされる。なお、中世ヨーロッパにおいては現在の南京錠などにもその原理が応用されているウォード錠も発明された。ちなみ我らが日本においては、乱世が過ぎ去りその影響から仕事が大幅になくなってしまった江戸時代の刀鍛冶たちによって、高い防犯性能を持つ同時に絢爛な装飾の和錠と言われる日本独自の錠前が開発された。
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